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広島県への質問書

平成28年9月5日付で広島県に提出した質問書です。広島県動物愛護センターとのやりとりの概要については、こちらのページをご覧ください。

広島県動物愛護センター 指導課 御中

平素よりお世話になっております。

 

貴センターの登録譲渡団体であるピースワンコジャパンについて、下記の質問がありますので、ご回答よろしくお願い申し上げます。

  1.  ピースワンコジャパンは広島県の団体登録当初から独自のポリシーを掲げ、現時点においても不妊手術は新たな飼い主の判断に任せるという方針を貫いています。(譲渡後、繁殖制限がなされているかどうかの追跡調査もしていません)

    最近の大西氏のインタビュー記事( http://n-d-f.com/blog/spp/2593.php)では、「広島県の譲渡規約には『避妊・去勢手術等を実施すること』と書かれており、自分たちは「等」の部分、すなわち適正管理を行っているので、自身のシェルターはもちろん、新たな飼い主が手術を選択しなくても問題はない」と発言していますが、大西氏の言う適正管理とは主に雌雄分けのことであり、「新たな飼い主に求める繁殖制限措置は避妊・去勢手術(老犬・病犬を除く)である」と答えた広島県の方針に明らかに相反しています。

    ちなみに、2014年4月以前の譲渡規約には「等」という文字はなく、「避妊・去勢手術を実施すること」と明記されていました。

    これは2013年11月に当会が出した質問書の指摘を受け、県がピースワンコの実態に合わせて規約を改正したと言わざるを得ませんが、齟齬をきたさないためにも、改めて「避妊・去勢手術等」の文言が意味するところ、また、広島県の方針に反した譲渡が広く行われていることについてのご見解をお答えください。
     

  2. 上記の問題については、2年以上前から貴センターとやり取りを続けてきましたが、毎回「手術は最終的には飼い主の責任で行うことと考えている」「登録団体には不妊手術の必要性を口頭にて指導している」等、団体譲渡要綱そのものを否定するような返答に終始され、現状はまったく変わっておりません。

    近年アメリカでは、早期不妊手術の徹底とともに、シェルター譲渡における不妊手術を義務化し、処分数を激減させていますが、アメリカ同様、圧倒的な余剰動物問題を抱える日本においても、不妊手術の徹底は行政及び民間収容施設の責務と考えます。

    今年2月のやりとりの際、今後はピースワンコジャパンに対し、避妊・去勢実施日を明記した譲渡報告書を必ず提出させるとのご返答がありましたので、あらためて2月以降の同団体への譲渡数および報告書の回収率をお答えください。(公表できない場合はその理由をご説明ください)
     

  3. ピースワンコジャパンは県内で殺処分対象となったすべての犬を引き取り、保護と譲渡で殺処分ゼロを目指すと発言していますが、センターから引き出した犬を未手術のまま広島のみならず神奈川県等で譲渡している実態は、センター譲渡、団体譲渡ともに不妊手術が徹底されている神奈川県民としても見過ごすことのできない大きな問題です。

    先の東日本大震災等においては、被災した未手術動物が現地で繁殖し、収容した行政、民間施設の大きな負担になり、人、動物ともに狂犬病をはじめとする伝染病の危険にさらされるという収拾のつかない事態を引き起こしましたが、災害時だけでなく、平時においても未手術犬の問題は深刻です。

    貴センターの平成26年度の業務概要には、管轄区域内で65件もの咬傷事故が報告されていますが、発情期の犬は精神的、肉体的なストレスを受け、それが感情のコントロールを難しくするため攻撃性が高まると言われています。

    同団体では、幼犬、成犬だけでなく、老犬や病気の犬、また問題行動のある犬もすべて引き取り、譲渡に回しているとのことですので、もしピットブルテリアなどの危険犬種や問題のある犬も未手術のまま譲渡しているのであれば、今後咬傷事故が多発する可能性もあり、貴センターの責任は極めて重大です。

    年間ベースで850頭以上の犬を保護しながら、半数を半年以内に譲渡していくなどという同団体の計画は、どう考えても無謀であり、この先破綻する可能性も否定できません。

    今後もし同団体の活動が行き詰った場合、全国の愛護団体や個人ボランティアでは到底吸収しきれない数の犬が取り残されると予想されますが、このようなリスクについて貴センターとしてどのようにお考えでしょうか。

    また、ピースワンコジャパンおよび貴センターが本当の意味で殺処分ゼロを目指すのであれば、広島県内に数多く存在する野犬(放浪犬含む)についても当然狂犬病予防法に基づき捕獲し、譲渡しなければならないはずですが、現状は放置と言っていい状態です。

    これら野犬についても、今後どのような対策を取られるのかお答えください。

 

ご多忙のところ誠に恐縮ですが、9月末までにご回答の程、よろしくお願い申し上げます。

 

平成28年9月5日

不幸な犬猫をなくすネットワーク

代表 多田和恵

 

NPO法人 神奈川動物ボランティア連絡会

代表 矢吹紀子

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広島県からの回答
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