広島県への要望書2
平成25年12月9日付で広島県に提出した要望書です。広島県動物愛護センターとのやりとりの概要については、こちらのページをご覧ください。
広島県動物愛護センター所長 様
ピースワンコジャパンの不妊手術実施の
確認を求める要望書
先日は当会がお送りした「ピースワンコジャパンの団体譲渡登録見直しに関する要望書」に対し、ご回答をいただきありがとうございました。それに関して、あらためて、以下の質問、並びに要望をいたしますので、ご回答よろしくお願い申し上げます。
記
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ピースワンコジャパンの不妊手術に対する考え方は、口頭ではありますが、私個人のみならず、実際に施設を訪れ、代表者と話をした複数の人間が確認しています。(不妊手術は体を傷つける行為なので基本的に行わない、譲渡先で手術するかどうかは飼い主の選択等)、また、愛護活動には欠かすことのできない不妊手術の啓発についてもHPに記載等はなく、ピースワンコジャパンの「譲渡前チェック項目」の条件にも、不妊手術のことは一切書かれておりません。(野良猫の不妊手術については肯定)
もし、ピースワンコジャパンが本当に団体譲渡登録の基準に則って活動しているのなら、
① 譲渡希望者条件に手術の履行を明記
② 新たな飼い主による手術証明書の提出等、確実に手術を実施しているかどうかの具体的な確認
③ ①、②についてホームページに記載
が必須のはずです。ご回答には、不妊手術の説明を徹底するようピースワンコジャパンに改めて指導を行うとありましたので、上記3点の実施についてご確認いただき、その結果をお知らせください。
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ご回答にもありましたように、貴センターの譲渡団体登録の基準には、現に飼養している犬及び猫の不妊去勢手術が義務付けられております。この「現に犬及び猫を飼養している場合には不妊・去勢手術を実施していること」とは何を意味するのかについて、同じ文言を以て団体登録の条件としている広島市にも伺ったところ、市の譲渡団体として登録する以前に、その団体がすでに保護または飼養している犬猫に対してきちんと手術を行っているかどうかを確認するための文章であるとのご返答でした。これは、貴センター同様、広島市愛護センターから譲渡を受けた犬猫に対し、必ずしも登録団体自らが手術をしなければならないという意味ではありませんが、広島市においては、いずれの団体も、不妊手術した上で譲渡(費用は譲渡時に飼い主が負担)、もしくはすぐに飼い主が決まった場合は、譲渡後、動物病院の手術証明書を提出させるといったどちらかの方法が取られているとのことです。
また、里親探しが長引きそうな場合も、必ず団体のほうで手術を済ませているとのことでした。
すでに十分ご承知だと思いますが、里親探しは右から左に簡単にいくようなものではなく、犬によっては数か月から数年かかる場合も少なくありません。(一生涯見つからない犬もいます)
ピースワンコジャパンのように、基本的に手術をせず、譲渡先が見つかるまで雌雄を分けて管理するという団体は、海外の動物先進国はもとより、日本国内の保護団体にあっても極めて特殊な存在と言えます。貴センターのご回答には、「当センターから団体譲渡した犬及び猫は、新しい飼い主に譲渡することになっており、不妊去勢は新しい飼い主が実施するものと認識している。したがって、新しい飼い主に譲渡されるまでの間、繁殖を防ぐため雌雄の区分による飼育管理方法を実施している団体がある」とありますが、貴センターに登録している他団体も、ピースワンコジャパン同様、手術は飼い主に任せるシステムになっているのでしょうか。
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前回の要望書にも書いたように、貴センターからピースワンコジャパンに譲渡した犬については、基準に基づき、不妊去勢手術が実施されなくてはならないはずです。この件については今回ご回答がありませんでしたが、ピースワンコジャパンから新たな飼い主に譲渡された犬について、確実に手術が実施されているかどうかの追跡調査を行い、その結果について教えてください。
環境省の「子犬と子猫の適正譲渡ガイド」によると、東京都が平成18年に行った「譲渡犬の追跡調査」では、団体から譲渡された犬の場合、不妊手術の実施率が100%であったと書かれています。
また、神奈川県や長野県などでは、センター自体が早期不妊手術も行っており、確実に繁殖できないような措置が取られています。貴センターにおいては、動物愛護管理推進計画に基づく犬猫の引き取り数の削減は最重要課題であり、そのためにはより一層の譲渡促進が必要とありましたが、せっかく救われた犬猫が不適正譲渡により、譲渡先で繁殖しては何の意味もありません。殺処分削減を目指すことは重要ですが、単に数さえ減らせばいいという発想は国が求める動物福祉の精神から逸脱するものです。ピースワンコジャパンがドイツのティアハイムをモデルとして、素晴らしい施設を官民協働で作り上げたいとする試みは大変期待できるものですが、もし、愛護活動の基本である不妊手術を完全履行しない団体であるならば、手術の徹底を呼び掛ける行政が登録団体としてお墨付きを与えることは断じてすべきではないと考えます。
以上、お忙しいところ恐縮ですが、上記の質問に対し、年内までに文書を以て、ご回答くださいますようお願い申し上げます。
平成25年12月9日
不幸な犬猫をなくすネットワーク
代表 多田和恵
アルプ株式会社
代表 森 茂樹
NPO法人 神奈川動物ボランティア連絡会
代表 矢吹紀子