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環境省に要望書提出

地方自治体動物収容施設の譲渡要領における繁殖制限の文言について、『日本の保護犬猫の未来を考えるネットワーク』として環境省に要望書を提出しました。

環境省が譲渡活動のマニュアルとして出している『動物の適正飼育における飼い主教育』というパンフレットには、「民間の愛護団体、ボランティアなどを通じて個人家庭に譲渡する団体譲渡の場合、不妊手術の実施率は100%」と書かれており、「譲渡事業の成功は、不妊手術の徹底を抜きにしてはありません」と繰り返し述べられています。


しかし、こういった優れたマニュアルがあるにも関わらず、現場でそれらを全く生かしていない自治体も多く、現在、全国の愛護センターをはじめ、行政の動物収容施設の譲渡要領等に記載されている繁殖制限の文言には、「不妊手術必須」から「雌雄分け」まで大変ばらつきがあるため、県や市によっては多くが未手術のまま新たな飼い主に譲渡、飼育されている実態があります。


税金を使って運営されている行政収容施設である以上、センター由来の犬猫が譲渡先で繁殖し、再びセンターに逆戻りするような可能性は絶対あってはなりません。


私たちは、本来の動愛法の繁殖制限措置の理念、及び環境省が求める譲渡事業のあり方をあらためて全国自治体に通知していただくよう、環境省に要望しました。

 平成29年8月1日

環境大臣 山本公一殿

 

                           日本の保護動物の未来を考えるネットワーク

                     呼びかけ団体:                            

                            アニマルウェルフェア推進ネットワーク 多田和恵

                            ニュータウン動物愛護会 日向千絵

                            NPO法人神奈川動物ボランティア連絡会 矢吹紀子

 

要望書
地方自治体動物収容施設の譲渡要領等における繁殖制限の文言について

                                             

 私たちは、日頃の動物愛護・福祉に関わる活動を通じ、環境省が「動物の適正譲渡における飼い主教育」をはじめ、様々なパンフレットで不妊去勢手術を強力に推進していることを心より支持しております。

 しかし、各自治体で制定された譲渡要領等に記載されている繁殖制限についての文言および実際の指導には、不妊去勢手術必須から雌雄分けまで大変ばらつきがあり、県や市によっては、センター由来の犬猫の多くが未手術のまま新たな飼い主に飼育されている実態があります。

 中には、「不妊手術は本来動物にとって不自然なことであり、子孫を残してあげたい飼い主もいるので特に譲渡条件にはしていない」などと未だに譲渡希望者に説明する現場職員もおり、環境省が推進する「不妊去勢手術の徹底」を理解していない自治体の存在は大変憂慮すべき問題と考えます。

 上記パンフレットによると、「民間の愛護団体・ボランティアなどを通じて、個人家庭に譲渡する「団体譲渡」の場合、不妊去勢手術の実施率が100%」「行政から個人に対して行った一般譲渡では、不妊手術が71%、去勢手術が50%にとどまっており、ここにも民間と連携し団体譲渡を行うメリットが見えてきます」とありますが、現実には先に指摘した自治体の譲渡要領等の不備から、一般譲渡だけではなく、団体譲渡においても堂々と未手術譲渡を全国展開している愛護団体も現れ(参考資料参照)、「譲渡事業の成功は、不妊去勢手術の徹底を抜きにしてはありません」と繰り返し述べている環境省の指導と整合性がとれません。

 本来は、一部愛護センターのように、原則センター内で不妊去勢手術を実施した上で譲渡することが理想ではありますが、それが叶わぬセンターにおいては、繁殖の可能性を残さないよう、譲渡条件を明確にし追跡調査を徹底することが殺処分数削減への正当な道筋であり、税金で運営されている行政収容施設の責務でもあると考えます。

 つきましては、「個人譲渡・団体譲渡に関わらず、愛護センターから譲渡された犬猫については、不妊去勢手術による繁殖制限を必ず行う(老齢・幼齢・病気を除く)」旨の内容で譲渡要領等が全国統一されるよう、各自治体に通達を出していただきたく、切に要望いたします。

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